2度目のボランティアバス。陸前高田にて。

by zen posted at 2011-07-27 12:56 PM last modified 2011-07-27 12:56 PM

7/23(土)に陸前高田での支援活動に参加してきた。

先週に続いて、レーベンさんのボランティアバスに参加。午前0時前にバスに乗り込む。2号車、「手を貸すぜ東北」号。前回はじめて参加したときに知り合った方に誘われ最後部の座席へ。知らなかったけど、ここは前の座席が取っ払われているので足が伸ばせる。(けど、すごく揺れるしエンジンのせいでちょっと暑い)。行きはひたすら寝れるだけ寝ること。これが前回学んだこと。なのでひたすら寝る。2回目でだいぶ慣れたけど、やっぱり眠い。

朝9時前にはボランティアセンターに到着。先週よりかなり順調だった。作業場所はここで決まる。バスの中で聞いたところによれば、この週末陸前高田のボランティアセンターには500人ものボランティアがやってくるとのことだった。

今回の作業場所は、海岸の方。(名前を忘れてたのだけど、小友町っていうところ)VCから15分ほどバスに揺られる。海岸の方に出ると、車窓から見える光景はちょっと信じられないもの。またしても、自分には言葉がうまく見つからない。

作業の前に依頼者の佐藤さんの説明を聞く。津波で流された大船渡線のレールがつい最近撤去され、ようやく片付けができるようになったとのこと。今日はここの片付けのお手伝い。適当に散らばって、瓦礫を集めていく。私はネコでこれらを集積場所に運ぶ作業をしていた。

瓦礫をネコに積もうと思って目をやるとなにか見覚えのあるノートのようなものがあった。よく見ると、息子が使ってるのと同じ漢字ドリル。きれいな字で書いてある。先生がつけた赤ペンの丸もついてる。とてもじゃないけど、これは捨てられないよ。別の山にも、息子がやってるのと同じ、ベネッセの通信教育のふろく教材(マイクロスコープとカメラ)があるのを見た。流されてしまったこちらのお宅には間違いなくうちと同年代のお子さんがいらっしゃるのだ。そう確信すると同時に、なんともいえない気持ちになった。今この子は、ご家族はどうしてるだろう。

お昼のお弁当(これもレーベンさんが支給してくれたもの。ご手配いつもありがとうございます。)を頂いたあと、午後の作業。1回目の休憩のときに、佐藤さんから震災当日のお話があった。おばあちゃんふたりを助けたから自分も助かった、というお話の最中に北の方からゴオォォォオオという音が、そして数秒後に揺れがやってきた。かなり強い揺れだった。

はじめて、地鳴りを聞いた。大地がそのままティンパニになったかのような恐ろしい響き。強い余震がまだ多くあったころ、避難している方がこれを聞いていたのかと思うといたたまれなくなる。

すぐにサイレンがなり、指定されていた高台のお寺に歩いて避難。中ほどまで移動したところで地元の方が家の窓をあけて津波の心配はないことを伝えてくれた。ホッとする。そのままお寺に移動してお話の続きを伺い、地元の方が差し入れてくださったビワをいただき、作業終了となった。

恒例の気仙沼でのお風呂(これもレーベンさんが手配してくれているもの)に向かう途中、バスが「採れたてランド」という、地元の野菜を販売するお店に立ち寄った。お土産にミニトマト、南蛮みそ、りんごを購入。

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ミニトマトは少し固いけど甘みがあってほんとに美味しい。今年初出荷というりんごは、小さくて酸っぱいけど元気がでる味。

その後気仙沼プラザホテルに移動するまでに見た光景は震災から4ヶ月以上たってもほとんど様子が変わっていないと思わせるものだった。
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帰路、星がきれいだった。車窓からでさえ北斗七星が見えた。休憩場所で星空を見上げてたら流れ星がキラリ。

未明にTXつくばに到着。始発で東京方面に帰宅。

瓦礫の中に漢字ドリルを見たことは今回の震災に対する感じ方を根底から変化させるような出来事だった。人間には想像力がある。想像力があるから感じることができる。リアルな体験はそれを凌駕する何かを心に残し、さらに想像力を育む元となる。

帰りに同行したOさんと一緒に東京駅で電車を待っていると、私の持っているりんごを見た妙齢の女性に「どこに行ってきたの?」と訪ねられた。ボランティアで岩手に行ってきておみやげです、と伝えると、これから旅行に出かけるというそのご夫婦としばし会話が弾んだ。こんなこと、最近あまりなかったなあ。もしかすると、活動に参加することがまわりにポジティブな何かを与えるのかもしれないな、などと思った。きっとそれはほんの些細な違いだけど、自分が少しだけ変わることが、まわりにも影響を与えるのかもしれない。

また行って、できることをやってこようと思う。

同じバスに乗られた方の当日のレポートを紹介します。こちらもぜひ読んでみてください。

陸前高田市小友町、大船渡線がちぎれたところで瓦礫を片付け、恐ろしい地鳴りを聴いた話 (震災ボランティア10回め) « du pope : NAKANO Hajime's Blog

週末1日だけの東北震災ボランティア(レーベン/岩手県陸前高田市/移動編):赤狐がめぐる冒険:ITmedia オルタナティブ・ブログ

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2011年11月より新しいブログに移行しました。http://blog.zenich.com メニューバーの「ブログ」をクリックしてください。 こちらのブログでは デザイナー・クリエイターによる震災復興支援活動を記録し応援するdesign311での活動、地元調布市のNPO法人ちょうふどっとこむ関連、オープンソースエンタープライズCMS "Plone" ユーザー会での活動記録などを掲載しています。
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